旅館やペンションの洗濯機は、家庭用とは稼働のしかたが違います。シーツ・枕カバー・浴衣を毎日まとめて回し、繁忙期には朝から晩まで止まらない。それだけ回していれば洗濯機の内部にも汚れが蓄積しますが、宿が満室で動いている間は分解洗浄を入れる隙がありません。この記事では、宿のリネンに求められる衛生管理の基準と、洗濯機側にたまる汚れ、そして「いつなら止められるのか」というタイミングの考え方を、長野・松本の洗濯機分解ドットコムが整理します。
目次
宿のリネンは「宿泊者1人ごと」が基本|洗濯量が決まるしくみ
旅館業法第4条第1項は、営業者に対し「換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置」を講じることを求めています。具体的な基準は同条第2項で都道府県の条例に委ねられており、そのよりどころとして厚生労働省が示しているのが「旅館業における衛生等管理要領」です。
この要領の「寝具の管理」には、次のように書かれています。
寝衣、敷布又はシーツ、布団カバー、枕カバー、包布等直接人に接触するものは、宿泊者1人ごとに洗濯したものと取り替えること。なお、同一の宿泊者にあっては、寝衣は毎日、その他のものにあっては3日に1回は少なくとも取り替えること。(厚生労働省「旅館業における衛生等管理要領」の「寝具の管理」18より)
ここから、宿の洗濯量はおおよそ計算できます。▶ 客が入れ替わるたびに一式が出るため、稼働率がそのまま洗濯量に跳ね返ります。連泊のお客様でも浴衣は毎日、シーツ類も3日に1回は少なくとも交換ですから、長期滞在が多い宿でも洗濯機が休む日はほとんどありません。
なお、この要領は国が示した技術的な指針で、実際に守るべき基準は、都道府県(保健所を設置する市・特別区では、その市・区)の条例で定められます。長野県内で開業・改装される場合は、管轄の保健所に確認してください。当社は洗濯機の分解洗浄を行う事業者で、寝具の貸し出しや洗濯そのものを請け負うリネンサプライではありません。この記事は、あくまで宿の設備側をどう保つかという視点でまとめています。
洗濯室と洗濯機そのものにも、示されている管理の基準がある
見落とされがちなのが、リネンの取り替え方だけでなく洗う設備側にも目安があるという点です。同じ要領の「洗濯室の管理」は、洗濯室について「クリーニング所における衛生管理要領」に準じて措置するよう求めています。
その「クリーニング所における衛生管理要領」(昭和57年3月31日環指第48号。その後改正)の管理の章には、次のような内容が並びます。
- 洗濯機、脱水機、プレス機等の機械及び器具類は、常に保守点検を行い、適正に使用できるように整備しておくこと
- 洗濯機、脱水機等の機械や作業台といった、洗濯物が接触する部分は、毎日業務終了後に洗浄又は清掃し、常に清潔に保つこと
- 洗濯機、脱水機などは、適宜消毒することが望ましいこと
つまり、洗濯物を清潔にすることと、洗濯機を清潔に保つことは、もともとセットで語られている話です。宿の現場では、毎日の業務終了後にフタや投入口まわり、糸くずフィルターを拭き上げているところが多いと思います。それは要領の考え方に沿った運用です。問題は、その手が届く範囲に限りがあることです。
こんなサインが出ていたら、洗濯機側を疑う
- 洗い上がったシーツに黒いカスやワカメ状のものが付く
- 洗剤を替えても、乾いたタオルから戻り臭がする
- 槽洗浄コースを回した直後だけ改善し、数日で元に戻る
- 脱水後の生地に、以前より水分が残っている感じがする
洗剤や柔軟剤の量を見直しても改善しない場合、原因が繊維側ではなく洗濯機側にあることがあります。ニオイの仕組みそのものは洗濯物の生乾き臭・部屋干し臭の原因は洗濯機?ニオイの取り方と予防で、タオル特有の事情は美容室・サロンのタオルが臭う原因と対策で詳しく扱っています。
毎日の清掃で届かないのは「槽の裏側」
洗濯槽には、私たちが目にする内側の槽と、その外側にある水を受ける槽の二重構造になっているものがあります。汚れがたまるのは、この内側の槽の外面と外槽の内面という、フタを開けても見えない面です。洗剤カス・皮脂・繊維くずが層になり、そこにカビが根を張ります。市販の洗濯槽クリーナーは水に溶かして回す薬剤なので、この層を浮かせる助けにはなっても、こびりついた分を物理的にこそげ落とすところまでは届きません。
ドラム式では、加えて乾燥の経路が詰まりの起きやすい場所になります。縦型とドラム式で汚れ方がどう違うかは縦型とドラム式どっちが汚れやすい?分解洗浄の頻度の目安にまとめました。
当社が行うのは、洗濯機を部品単位まで完全分解し、この見えない面を1枚ずつ洗浄してから組み直す作業です。作業前後の写真をお渡ししているので、何がどれだけ落ちたかは実物で確認いただけます。実際の変化はビフォアフター事例をご覧ください。
分解洗浄は「洗う」作業であって、故障の修理ではありません。異音がする、途中で止まる、水が漏れているといった不具合が出ている場合は、まずメーカーや購入店の修理窓口にご相談ください。当社では、原則として製造から8年以内の機種を対応の目安としています。8年を超える機種は部品の硬化・劣化で分解時の破損リスクが高くなるため、事前にご相談ください。
長野県は8月が突出|分解洗浄を入れるなら「谷」の月
宿にとっていちばんの問題は、汚れの有無よりいつなら洗濯機を止められるかです。ここは県の統計が手がかりになります。
長野県観光スポーツ部がまとめた令和7年の観光地利用者統計調査によると、県内285か所の観光地の延利用者数(日帰り客と宿泊客の延数の合計)は年間8,791万8千人で、月別の構成比は次のようになっています。
- 山になる月……8月 16.6%(1,455万8千人)、7月 10.5%、9月 9.4%
- 谷になる月……12月 5.4%、3月 5.8%、6月 6.4%
- スキーシーズンの1月は7.4%、2月は6.9%で、12月より高い
この数字は日帰り客を含む県全体の傾向で、個々の宿の予約状況とは一致しません。それでも、谷は12月・3月・6月に来ていて、山の直前ではないところに空きがあることは読み取れます。特に8月は突出しているので、7月に入ってから「そろそろ洗濯機を」と考え始めると、もう手を入れる余裕がないことが多いはずです。
繁忙期の直前ではなく、ひと呼吸前に
分解洗浄は、洗濯機を止めて分解し、洗って乾かし、組み直して試運転するまでが1台の作業です。台数が多い宿ほど、当日の段取りに余裕が要ります。繁忙期の前日ではなく、少なくとも数週間前に済ませておくと、仕上がりを普段の洗濯で確かめてから本番を迎えられます。松本市や長野市の市街地の宿はもちろん、山を控えたエリアの宿ほど、シーズンの端で計画していただくのが現実的です。
依頼前に決めておきたい5つのこと
お見積りが早く固まり、当日の作業もスムーズになります。
① 台数とメーカー・型番・製造年
本体の側面や扉の内側に貼られた銘板に記載があります。日立製は分解工程の特性上、3,000円〜5,000円の追加料金がかかります。また、コインランドリー用のような業務用の大型機・特殊機種は、機種と状態に応じて個別のお見積りとなります。分解してみて部品の交換が必要な状態だった場合は、部品代を別途お見積りします。
② 止められる時間帯
チェックアウト後からチェックイン前までなど、洗濯機を空けられる時間をお知らせください。なお、夜間・早朝を指定される場合は、時間外作業料が発生する場合があります。日中に確保できるなら、そのほうが費用は抑えられます。
③ 洗濯機までの経路
洗濯室が地下や2階以上にある宿は珍しくありません。複数回の階段の上下移動が必要な搬入経路は、状況に応じて加算する場合があります。エレベーターの有無、扉の幅、防水パンの大きさを事前に伺えると、当日の判断が早くなります。
④ 出張の範囲
長野県内の主要エリアは、出張費が基本料金に含まれています。木曽地方・北アルプス周辺など一部の遠方エリアと県外は、距離に応じて別途お見積りとなります。該当する場合はお見積りの段階で必ずお伝えします。
⑤ 支払いと予定変更の条件
法人のお客様には請求書払い(月末締め翌月末払い等)に対応しています。複数台割引は、2台以上のご依頼で2台目から適用し、法人のお客様で5台以上の場合はさらにお得な割引率をご提案します。日程については、前日までのキャンセルは無料ですが、作業当日のキャンセルは出張に伴う実費をご請求する場合がありますので、予約状況が動いたときは早めにご連絡ください。条件の詳細は料金詳細・追加料金規定に記載しています。
長野・松本の旅館・ペンションからのご相談について
洗濯機分解ドットコムは、長野県松本市を拠点に、家庭用から業務用まで洗濯機の完全分解洗浄を行っています。運営責任者の工藤は、ダスキンでの約12年とビルメンテナンス会社の経営約14年を合わせ、清掃業界に26年以上携わってきました。宿泊施設の場合は、複数台をまとめてお引き受けし、作業報告書の発行にも対応しています。詳しくは法人向けページをご覧ください。
「洗ってもシーツがにおう」「黒いカスが出るようになった」「繁忙期に入る前に一度きれいにしておきたい」——そうしたご相談を、お見積り無料で承っています。年中無休で受け付けていますので、シーズンの谷が見えたタイミングでお声がけください。
旅館・ペンションの洗濯機分解洗浄は「洗濯機分解ドットコム」へ
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