ヒーター乾燥のドラム式が乾きにくい・ホコリが溜まる原因|ヒートポンプとの違い

ヒーター乾燥のドラム式が乾きにくい・ホコリが溜まる原因|ヒートポンプとの違い

ヒーター乾燥のドラム式洗濯機が乾きにくいとき、まず確かめたいのは「換気と室温」「水栓(蛇口)」「洗濯物の量」「フィルターと乾燥経路のホコリ」の4つです。同じヒーター乾燥でも、湿った空気を部屋に出す排気タイプと、水で冷やして除湿する水冷・除湿タイプがあり、ヒートポンプ式とは湿気の逃がし方が違います。この記事では、メーカーの公式情報をもとに乾きにくくなる原因と自分でできる確認、そしてホコリが本体の奥に溜まったときの考え方を、長野・松本の洗濯機分解ドットコムが解説します。乾燥中に焦げ臭いにおいがするときは、自分での確認より先に使用を中止し、メーカー・販売店にご相談ください(日立の無償修理の対象機種など、メーカーへの相談を先に考えたいケースはこちらにまとめています)。

まず自分のドラム式の乾燥方式を確かめる

「ドラム式=ヒートポンプ」と思われがちですが、ドラム式の乾燥方式はメーカーや発売時期によって分かれています。対処の仕方も方式で変わるので、最初に取扱説明書やカタログで、お使いの機種の乾燥方式を確認しておきましょう。

パナソニックの分類

パナソニックは公式サイトで、ドラム式の乾燥方式を「ヒーターを使うか使わないか」で大別し、ヒートポンプ式のほかに次の2つのヒーター式を紹介しています。

  • トップユニット ヒーター式(排気タイプ):「低温風パワフル乾燥」の名前で、SDシリーズの方式として紹介。ヒーターで室温プラス約15℃まで空気を加熱し、乾燥中に出る湿った空気を機外へ排気する方式
  • ヒーター式(水冷・除湿タイプ):例として2010年度発売のNA-V1700。ヒーターで加熱した温風で乾かし、湿った空気(水蒸気)は冷却水を使って除湿する方式

日立の分類

日立は、ドラム式の乾燥方式を発売時期で3つに分けて案内しています。

  • ヒートポンプ式:2023年11月以降に発売された機種
  • 低温ヒート式:2021年9月から2023年10月に発売された機種。内蔵されたヒーターで洗濯槽内の空気を暖める方式
  • ヒートリサイクル乾燥方式:2021年8月以前発売の機種。運転時に発生する熱を回収して温風に再利用し、内蔵されたヒーターで槽内の空気を温める方式

つまり、ヒーターを使う乾燥方式は「昔の機種だけ」とは限りません。型番が分かれば、メーカーのサイトや取扱説明書で方式を確かめられます。

ヒーター乾燥とヒートポンプ式の違い

乾きやすさに関わる一番の違いは、衣類から出た湿気をどこへ逃がすかです。パナソニックの公式サイトの説明を整理すると、次のようになります。

  • ヒートポンプ式:湿気を含んだ空気をヒートポンプで除湿して機外に排水。乾燥時に冷却水を使わず、乾燥運転中に周囲も暑くなりにくい
  • トップユニット ヒーター式(排気タイプ):湿った空気を機外へ排気。冷却水は使わないが、乾燥運転中は周囲の湿度が上がるため換気が必要
  • ヒーター式(水冷・除湿タイプ):冷却水で除湿するため使用水量が多くなる。槽内(吹き出し口温度)は80℃近くになりやすく、安全確保のため乾燥途中ですぐにドアを開けられない

また、パナソニックはヒーター式について、日立は低温ヒート式について、ヒートポンプ式より電気代がかかると説明しています。パナソニックは比較の一例として、2010年度発売のヒーター式(水冷除湿タイプ)NA-V1700とヒートポンプ式LX129Fの定格洗濯乾燥時の数値を、標準消費電力量で約2,400Whと約800Wh、標準使用水量で約98Lと約55Lと示しています(特定の2機種どうしの比較です)。

ヒーター乾燥の機種は、置き場所の換気・室温や、水冷式なら給水の状態が乾き具合に影響します(日立のよくあるご質問では、換気・室温・水栓が確認項目に挙がっています)。乾きにくいと感じたら、故障を疑う前に設置環境から見直すのが近道です。

ヒーター乾燥のドラム式が乾きにくい主な原因

メーカーのよくあるご質問では、乾きにくさの原因として次のような項目が挙がっています。上から順に確かめてみてください。なお、乾燥中に焦げ臭いにおいがするときは、ここでの確認より先に使用を中止し、メーカー・販売店にご相談ください。

換気不足・室温が高すぎる、低すぎる

日立は、室温が高いとヒーター出力を抑える制御が働き、衣類が乾きにくくなると説明しています。洗濯機の置き場所は脱衣場など狭いところが多く、換気をして室温を下げると改善する可能性があるとのことです。前述のとおり、パナソニックの排気タイプも乾燥中は湿度が上がるため換気が必要とされています。

反対に、寒さも乾きにくさの原因になります。日立は、温度が5℃以下または30℃以上の場所に置いてあると乾燥時間が長くなること、気温が低いと空気中に取り込める水分量が少なくなり洗濯物が乾きづらくなることを挙げ、気温が低い時期は脱水時間を長めに設定することをすすめています。冬に脱衣所が冷え込むお宅では、乾き具合の設定や脱水時間も見直してみましょう。

水栓(蛇口)が閉まっている・給水の温度が高い

日立のドラム式では、乾燥運転時に洗濯物から出る湿気を水で冷やし、水分に変えて排出するときに水道水を使います。そのため、蛇口が閉まったままだと乾燥時間が長くなり、生乾きのまま乾燥運転が終了することがあります。乾燥運転だけをする場合でも、水栓は開けておくよう案内されています。また、30℃以上のお湯を給水していると除湿効果が低下し、乾燥時間が長くなるとされています。

パナソニックは、同社の排気タイプとヒートポンプ式は乾燥に冷却水を使わないと説明しています。メーカーや機種で異なるため、水栓の扱いは取扱説明書で確認してください。

洗濯物の量・厚さ・からまり

日立・シャープとも、洗濯物の入れすぎや厚手の衣類との一緒乾燥は、乾燥時間が長くなったり乾き残りが出たりする原因になると案内しています。日立は、乾燥容量は洗濯容量より少ないため、洗濯から乾燥まで行う場合は乾燥容量に合った量で洗うこと、洗濯ネットに入れたままだと乾きにくいことも挙げています。からまりやすい衣類が多いときは、脱水後に一時停止してほぐしてから乾燥するよう日立は案内しています(シャープも乾燥の前にほぐすことをすすめています)。

フィルター・排水口の詰まり

日立は、糸くずフィルターに糸くずがたまっていると乾燥ムラや乾燥時間が長くなる原因になるとし、排水口(排水トラップ)の詰まりや排水ホースのつぶれも確認するよう案内しています。乾燥フィルターのある機種はそのお手入れも欠かせません(日立は、機種によっては乾燥フィルターを搭載していない場合があるとしています)。シャープは、乾きが悪いときや「U4」「U04」のお知らせが出たときは乾燥フィルターをお手入れするよう案内しています(シャープのドラム式向けページでは、乾燥運転開始と同時に「U04」が表示される場合は故障の可能性があるとしています)。日立は、乾燥フィルターを搭載していない機種では、乾燥が終わった後に「槽洗い」コース(12分)を行うと槽内のホコリを洗い流し、次に乾燥運転したときに乾きやすくなると案内しています。

フィルターの呼び方や役割の違いはドラム式の糸くずフィルターと排水フィルターの違いで詳しく解説しています。

ホコリはフィルターの奥にも溜まる

フィルターをこまめに掃除していても、乾燥時の空気が通る経路にはホコリが溜まることがあります。日立は、洗濯機内部の乾燥経路に詰まりがある場合も乾燥時間が長くなるとし、槽洗浄コースで内部の乾燥経路の汚れを落とすことができると案内しています。シャープもドラム式について、本体内部に糸くずがたまると乾燥性能が低下する場合があるとして、1カ月に1回程度の槽洗浄コースをすすめています。

シャープはさらに、洗剤を入れすぎると乾燥経路に泡が侵入し汚れをためる原因になるとしています。洗剤・柔軟剤の量については洗剤・柔軟剤の入れすぎは逆効果の記事も参考にしてください。

当店の事例:ヒーター乾燥(排気式)のパナソニック機

当店で分解洗浄したパナソニックのNA-VG2400L(2020年式・ヒーター乾燥の排気式)では、「乾燥にかかる時間がどんどん長くなってきた」というご相談でした。お客様は日頃から乾燥フィルターをお手入れされ、純正の洗濯槽クリーナーも年2回使われていて、カビの発生はありませんでした。それでも、フィルターの奥には埃が溜まり、乾燥ユニットのフィンの隙間は埃で目詰まりしていました。分解を進めると、乾燥した空気を機外へ送り出す排気ダクトホースに亀裂が見つかり、そこから埃が内部へ漏れ出していたことが分かりました。

このときは内部の洗浄と亀裂の応急処置を行い、部品そのものの交換はメーカーへ依頼していただくようご助言しました。洗濯槽クリーナーはカビ・ぬめりには有効でも、乾燥経路に溜まる埃には届かないことがある、という一例です。詳しくはパナソニック ドラム式(NA-VG2400L)の分解洗浄事例をご覧ください。

なお、ここで挙げた部品や汚れの位置は、この機種の事例です。乾燥経路の構造は機種によって異なるため、ほかの機種も同じとは限りません。ヒートポンプ式の乾燥トラブルについてはドラム式洗濯機が乾かない原因、パナソニックのヒートポンプ式はパナソニックのドラム式が乾かない原因とカビ対策で解説しています。

メーカーの点検を先に考えたいケース

乾きにくさの原因は、汚れだけとは限りません。次のような場合は、分解洗浄を頼む前に、メーカーや販売店へ相談することを考えてください。

▶ 日立BD-STX120H/BD-SX120H/BD-SV120Hをお使いの場合
日立は、2022年9月から製造したドラム式洗濯乾燥機BD-STX120H/BD-SX120H/BD-SV120Hで、使用環境によっては乾燥運転時間が極端に長くなる、乾きが悪くなることが判明したとして、症状のある方には無償で点検のうえ修理対応(部品交換)をすると告知しています。該当する方は、まず日立のお知らせページの窓口へご連絡ください。

▶ 対処をしても改善しない場合
日立は、すべての対処方法を行っても改善しない場合は本体の乾燥機能に問題が発生している可能性があるとして、販売店または修理相談窓口に点検を相談するよう案内しています。

▶ 乾燥中に焦げ臭いにおいがするとき
使用を中止し、メーカー・販売店にご相談ください。

▶ 賃貸住宅の備え付けの洗濯機
故障が疑われるときも、分解洗浄を考えるときも、先に管理会社・大家さんにご確認ください。

▶ メーカー保証期間中の機種
当社を含むメーカー認定外の業者が分解すると、保証の対象外になる場合があります。先にメーカー・販売店にご相談ください。

当店の分解洗浄は、汚れが原因の乾燥不良に対して乾燥効率の回復を目指す作業で、故障の修理を目的としたサービスではありません。分解時に部品交換が必要な状態の場合は、部品代を別途お見積りし、ご説明・ご了承をいただいてから進めます。先ほどの事例では、亀裂に応急処置をしたうえで、部品の交換はメーカーへ依頼していただくようご助言しました。また、分解作業の安全性確保のため、製造から8年以内の機種を対応の目安としています(8年を超える機種は事前にご相談ください)。

長野・松本でドラム式の乾燥に困ったら

ヒーター乾燥のドラム式が乾きにくいときは、まず乾燥方式を確かめ、換気と室温、水栓、洗濯物の量、フィルターと排水口を順に見直してみてください。それでも乾燥時間が長いままなら、メーカーの点検で故障がないかを確認し、そのうえで本体の奥に溜まったホコリが気になる場合は、分解洗浄という選択肢があります。

洗濯機分解ドットコムでは、ドラム式を完全分解し、ドラム裏や乾燥フィルターの奥、乾燥経路まで洗浄します。作業前後は写真で確認していただけます。料金はドラム式39,800円〜(税込)で、日立製は分解工程の特性上3,000円〜5,000円の追加料金がかかります。出張費や追加料金の条件は料金詳細・追加料金規定、作業内容はドラム式洗濯機の分解洗浄のページをご覧ください。

松本市を拠点に長野県全域へ出張し、年中無休・お見積り無料で承ります。松本市内・近郊(塩尻・安曇野など)は即日対応が可能な場合があります。長野市・上田市・諏訪市などのエリアも訪問日をご相談のうえ伺いますので、型番をお知らせのうえお気軽にご相談ください。

長野・松本の洗濯機分解洗浄は「洗濯機分解ドットコム」へ

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