縦型洗濯機の底で回っている円盤状の羽根が「パルセーター」です。日立ではこの部品を「かくはん翼」と呼びます。この羽根の下には糸くずや洗剤カスが少しずつ入り込み、市販の洗濯槽クリーナーの水流では十分に届きにくい場所です。では自分で外して掃除できるのか——結論から言うと、メーカーは、お客様自身が外すことを前提とした案内をしていません。パルセーター下に何が溜まるのか、メーカー各社の公式見解、自分でできるお手入れの範囲、完全分解洗浄で何をするのかを、長野・松本の洗濯機分解ドットコムが解説します。
目次
パルセーターとは?縦型洗濯機の底で回る羽根
パルセーターは、縦型洗濯機の洗濯槽の底にある、放射状の溝が入った円盤状の部品です。これが左右に回転して水流を起こし、洗濯物をかくはんして汚れを落とします。メーカーによって呼び方が違い、日立は「かくはん翼」という名称を使っています。
縦型洗濯機は、洗濯物を入れる内槽と、水をためる外槽の二重構造になっています。パルセーターは内槽の底に取り付けられていて、その中心はモーターの軸とつながっています。つまり、洗濯槽の中でもっとも動きが激しく、もっとも水と汚れが集まる場所に据えられている部品です。
ふだん目に見えているのは羽根の表面だけですが、部品には厚みがあります。羽根の裏側と槽の底とのわずかな隙間、そして中心の軸まわりが、掃除の手が届かない空間として残り続けます。
パルセーターの下に溜まる汚れの正体
糸くず・洗剤カス・皮脂が重なってカビの土台になる
パルセーターの下に入り込むのは、主に次のようなものです。
- 衣類から出る糸くず・繊維くず(フィルターで取りきれずに沈んだぶん)
- 溶け残った洗剤・柔軟剤(水温が低い冬ほど残りやすい)
- 皮脂や汗の汚れ(衣類から洗い出されたもの)
- 水道水由来のミネラル分(一般的に、乾湿をくり返す場所ほど固着しやすいとされます)
これらが混ざって薄い膜のように固まり、そこへ湿気と暗さが加わると黒カビが根を張ります。洗濯槽のニオイやピロピロした黒い浮遊物は、こうして育った汚れが剥がれ落ちたものです。詳しくは洗濯機のピロピロワカメ汚れの正体と落とし方でも解説しています。
メーカーも「取り外して洗う対象」としている部品
パルセーターが、汚れやニオイへの対処として取り外して洗う対象であることは、メーカー自身の案内からも読み取れます。シャープはタテ型洗濯機のお手入れ案内のなかで、サービスマンが訪問して行うクリーニングサービスについて「ニオイの原因に応じて、洗濯槽やパルセーターなど必要なパーツを取り外して洗浄します」と説明しています(シャープ公式サイト「タテ型洗濯機 洗濯槽のお手入れ・クリーニングサービスについて」)。つまり、パルセーターは「外して洗う対象」としてメーカーにも認識されている部品です。
また日立は、かくはん翼について「洗濯物や異物がはさまった場合」は販売店または修理相談窓口へ相談するよう案内しています。ポケットに残った小物のような硬いものが入り込むケースを想定した案内です。
パルセーターは自分で外せるのか|メーカー各社の見解
ここが本題です。インターネット上には自分で外す手順を紹介する情報もありますが、メーカーの公式見解は明確です。
日立:専用の工具が必要で、お客様では取り外せない
日立は「かくはん翼(パルセーター)を自分でお手入れや交換できますか?」というよくあるご質問に対し、取り外しや取り付けに専用の工具が必要なため、お客様にて取り外しできませんと回答しています。あわせて、破損や故障につながる可能性があるためお客様ご自身での交換は控えるよう案内し、洗濯物や異物がはさまった場合などはお買い上げの販売店または修理相談窓口へ点検を相談するよう記載しています(日立の家電品サイト「よくあるご質問」より)。
パナソニック:分解しないでください/認定業者以外の分解は保証対象外
パナソニックは「洗濯機を分解してお手入れできるか」というFAQで、けがや故障のおそれがあるためお客様ご自身で洗濯機を分解しないでくださいと明記しています。さらに、パナソニック認定業者以外の分解サービスを利用した場合は保証の対象外になると案内し、槽の汚れには専用クリーナーを使った槽洗浄をすすめています(パナソニック公式サイトのよくあるご質問「洗濯機を分解してお手入れできるか」より)。
シャープ:自分でできるのは排水口の手入れと槽洗浄まで
シャープの案内では、利用者自身が行うお手入れとして排水口の掃除と別売品の洗濯槽クリーナーによる「槽洗浄」運転が示され、それでも解決しない場合にサービスマンが訪問して分解・洗浄するクリーニングサービスを案内する流れになっています。
3社の案内から読み取れるのは、パルセーターはお客様が外す前提の部品として案内されていないということです。そのため本記事でも、ネジの外し方や取り外しの手順は紹介しません。感電・水漏れ・部品破損のリスクがあり、元に戻せなくなると洗濯機そのものが使えなくなります。
自分で外そうとしたときに起きやすいトラブル
それでも「見た目は簡単そうだから」と手をつけてしまい、途中で止まってしまうケースがあります。途中で止まってしまうと、次のような状態になります。
1. 固定部が固着して回らない・工具が滑る
洗濯機の中は常に水と洗剤にさらされる環境です。長く使った機種ほど固定部は固着しやすく、サイズの合わない工具で無理に回すと部品側を傷めます。こうなると分解も修理も一気に難しくなります。なお固定のしかたは機種によって異なります。
2. 外せても元どおりに組み戻せない
パルセーターは、はめて締めれば終わりという部品ではありません。日立が公式FAQで「取り外しや取り付けに専用の工具が必要」としているとおり、取り付けにも専用の工具を前提とした作業が必要です。工具や手順が適切でないまま組み戻すと、運転中の不具合につながるおそれがあります。
3. メーカー保証が使えなくなる場合がある
前述のとおり、パナソニックは認定業者以外の分解サービスを利用した場合は保証の対象外になると明記しています。これは自分で分解した場合だけでなく、弊社を含むメーカー認定外の業者へ分解洗浄を依頼した場合も同様です。保証期間内の機種や延長保証に加入している機種は、分解洗浄を依頼する前に保証の条件をご確認ください。弊社にご相談いただければ、その点も含めてご案内します。
4. 古い機種は部品そのものが割れる
樹脂部品は年数とともに硬くなります。弊社が製造から8年以内の洗濯機を対応の目安としているのも、それを超えると分解時の破損リスクが高まるためです。8年を超える機種は事前にご相談ください。
自分でできるお手入れはここまで
分解せずにできることも、きちんとやれば効果があります。汚れを「溜めない」ための日常のお手入れは次のとおりです。
- 糸くずフィルターは毎回掃除する。ここが詰まると、取りきれない繊維くずが槽の底へ沈みます
- 月1回を目安に洗濯槽クリーナーで槽洗浄コースを回す。塩素系と酸素系の違いと使い分けは洗濯槽クリーナーの塩素系と酸素系の違いで解説しています
- 洗剤・柔軟剤は適量を守る。入れすぎは溶け残りとして槽に残ります(洗剤・柔軟剤の入れすぎは逆効果)
- 使用後はフタを開けて内部を乾かす。湿ったまま密閉するとカビが育ちます
- 排水口・防水パンも定期的に掃除する(防水パン・排水口の掃除方法)
- パルセーターは表面の溝を歯ブラシでこする程度にとどめる。取り外しは行わない
ただし、これらはいずれも「これ以上汚れを増やさない」ための手入れです。すでにパルセーターの下や槽の裏側にこびりついた汚れは、水流も薬剤も十分に届かないため、槽洗浄をくり返しても黒い汚れやニオイが出続けることがあります。それが分解洗浄を検討するサインです。
完全分解洗浄ではパルセーターの下をどう洗うのか
弊社の縦型洗濯機の分解洗浄では、パルセーターを取り外し、さらに内槽そのものを引き抜いて、次の面を物理的に洗浄します。
- パルセーターの裏面と槽底の隙間
- 内槽の外側(槽の裏側)——市販クリーナーの水流がもっとも届きにくい面
- 外槽の内側と底に沈殿した汚れ
- 糸くずフィルターまわり、排水経路
薬剤で溶かすだけでなく、部品を外して手で洗い流すため、槽洗浄では落ちなかった層状の汚れも取り除いていきます。作業の前後は写真でご報告しており、実際の状態はビフォアフター事例でご覧いただけます。日立製の機種は分解工程の特性上、3,000〜5,000円の追加料金がかかります(日立ビートウォッシュの汚れが溜まる場所もあわせてどうぞ)。
縦型洗濯機の作業時間の目安は2〜3時間、料金は19,800円〜(税込)です。お見積りは無料、年中無休で承っています。長野県内の主要エリアは出張費が基本料金に含まれます(木曽地方・北アルプス周辺など一部の遠方エリアと県外は、距離に応じて別途お見積り)。詳細は料金詳細をご覧ください。
長野・松本で縦型洗濯機の分解洗浄なら
パルセーターの下は、洗濯槽のなかでもっとも汚れが溜まりやすく、もっとも手が届かない場所です。メーカーがお客様自身で外すことを前提とした案内をしていない以上、無理に外そうとするより、専門業者に任せたほうが、結果的に洗濯機を傷めずに済みます。
洗濯機分解ドットコムは松本市に拠点を置き、松本市・長野市・上田市・安曇野市・塩尻市など長野県内各地へ出張しています。運営責任者の工藤博史は、ダスキンからビルメンテナンス会社の経営まで清掃業界での経験が通算26年以上あります。松本市内・近郊であれば即日対応が可能な日もありますので、「洗ったのにニオう」「黒いカスが出る」といった段階でお気軽にご相談ください。
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